プレスリリース

子供の病気の特徴

今回は子供の病気の特徴について書いてみます。
まず大事なことは子供は大人を単に小さくしたものではないということです。
元気に遊んでいた子供が急に具合が悪くなり、一旦病気になるとその進行も早く、迅速な対応がなされないとありふれた病気でも命を失うことさえあります。
その一方で強い治療に耐える生命力も強く、適切な治療さえすれば回復も早いのも特徴です。
例えば嘔吐や下痢にしても子供は脱水になりやすく、ぐったりして受診しますが、1本の点滴ですっかり元気になり、笑顔が見られることもまれではありません。

子供の病気は年齢によって違う
子供はその年齢によって乳児、幼児、学童と分けられますが、同じ病気でも年齢によって原因や症状の出方が違ったりします。子供はよく感染症にかかり熱を出しますが、3ヶ月未満の乳児が38.5度以上の熱を出した場合は、重症感染の可能性が高く、少なくても血液検査を行い、場合によってはさらに詳しい検査を行い、敗血症や髄膜炎などの重症感染がないかどうか慎重に観察する必要があります。

細菌性髄膜炎は重症の感染症で死亡することもあり、また、救命しても神経学的な後遺症を残すことがあります。
この髄膜炎も乳児期早期、乳児期後期、幼児期で原因となる菌が違ってきます。
症状も乳児期ではたんに機嫌が悪かったり、オムツを替えるときにぐずってなくこともあります。
重症疾患であるのに特徴的な症状がないことがあり小児科専門医の診察が必要です。
子供病気は季節によって違う
8月、9月は病気も少なく、昔から柿が黄色くなる頃には医者が青くなるといわれています。
その一方で、冬のインフルエンザの流行時には100人を超す患者さんが押し寄せ、小児科医にとっても肉体的にきつい時期です。

感染性の胃腸炎(嘔吐下痢症)は1年中みられますが、冬から春先にかけて特に多く、原因はほとんどがウイルス感染です。
春先に流行する胃腸炎の原因はロタウイルスが多く、発熱を伴い便の色が白くなるのが特徴で、脱水になりやすく入院が必要になることも稀ではありません。

夏になると今度は病原性大腸菌、サルモネラ、キャンピロバクターなどの細菌によるものが多くなるので注意が必要です。
細菌性腸炎の場合は便に血液や粘液が含まれることが多く、便性を観察することが重要です。

また、5~6月や10月など季節の変わり目には喘息発作が急増します。
今はまさに喘息シーズンで当クリニックの吸入器も一日中大活躍しています。
上手な小児科のかかり方
小児科に子供を連れてくる保護者は多くは母親ですが、父親や祖父母が来ることもあります。
母親以外の保護者が来た場合、時に子供の病気の経過が良く分からないことがあります。
例えば一緒に来たおじちゃんは「嫁に医者に連れて行くように言われただけで、詳しいことは分からん」と言われ、子供に聞いても要領を得ず困ることがあります。
こういうと時はお母さんのちょっとした経過を書いたメモでもあれば小児科医としては大いに助かります。

やっぱり子供の様子を一番理解しているのは母親ですし、母親が子供の様子がおかしいという場合は、小児科医は特に慎重に診察をします。
実際に母親の感があたっていることが多いものです。
また、体に発疹が出た場合や、普段と違う便が出た場合はデジカメなどで撮って持って来てもらうと、原因がすぐに分かることがあります。
最近はカメラ付携帯も普及しており、実際に携帯で撮影した様子を見せてくれる母親もいます。

最大の問題は夜間や休日に病気になった場合です。
私も開院当時は、留守電に自宅の電話番号を入れて、救急の場合は対応していました。
しかし、患者さんが徐々に増えて、肉体的にも精神的にも夜間の対応はできなくなりました。
小児救急の問題はご承知のように全国的な社会問題となっています。

高知県ではこの問題に対応するために平成11年から高知市の急患センターで午後8時から11時までは小児科の専門医が診察するシステムができており、私もこれに参加しています。
それに11時以降の深夜帯は県立中央病院や高知医大などの6つの総合病院が輪番で対応するようになっており、いつでも小児科専門医の診察を受けることができます。
このような休日夜間の情報は救急医療情報センター(TEL 088-825-1299)に問い合わせば教えてくれます。
(平成17年9月 日章公民館ニュース)